突然ですが、美味しそうだなと思う色は何色ですか?
トマトのような真っ赤な赤色?はたまたふっくら炊かれたお米のような白い色?
今回はノンデザイナーさんやご飯作りが苦手な人にもわかりやすいように図解しながら、色と食べ物(ご飯)の関係について学びたいと思います。
色彩検定2級のぼくが実例を交えて解説するよ〜
お前いつの間にそんな資格を…
色と視覚情報の関係について
人は無意識のうちに色から様々な情報を汲み取ります。
色から味を連想するのもその一つです。
色の情報は目、視覚情報で「色感覚」として認識され、大脳で「色知覚」として処理されます。そして、脳内で処理された色知覚は「色感情効果」というものを呼び起こします。
・色感覚=色を識別する感覚。「光の色」
・色知覚=「色感覚」の情報が処理された結果認識される。「物の色」
・色感情効果=色が与える心理的なイメージ
色感情効果は知覚感情と情緒感情に深い関わりがあります。
・知覚感情=万人共通の色感情効果。固有感情と言われることも。
例えば、暖色系の赤を見た時多くの人は「あたたかい」、「熱い」という感情が呼び起こされます。
・情緒感情=個人差のある色感情効果。表現感情と言われることも。各々が今までに体験してきた記憶、知識、経験により生まれるもの。
例えば、真っ赤な綺麗なりんごを食べて、そのりんごが今まで食べたことのない美味しさで人生の中でとっても強く印象に残ったとします。
その人にとっては赤色を見ると「美味しそうなりんご」という感情が呼び起こされるのです。
食欲を増進させる色ってどんな色?
主に食欲を増進させる色は暖色系と暖色と寒色の中間の色です。
暖色系は食材に多い色と言われています。かぼちゃやにんじん、とうもろこし、トマト…etc。中間色も同様です、葉物野菜やピーマン、ナス、ビーツ…etc。
ぜひ冷蔵庫やスーパーで自分たちが口にするものは何色が多いのか観察してみてください。きっと寒色系の色は少ないことに気が付くはずです。
食欲を減退させる色ってどんな色?
例外もありますが、主に食欲を減退させる色は寒色系と黒・グレーです。
例外としてはラムネ、ソーダ、ブルーベリーなどがあげられます。
不思議と甘い物と青い色の組み合わせは、塩っぱい物と違い受け入れられやすい印象です。
そして空色の綿菓子や蛍光色のケーキなど、少し現実味のない色の食べ物は日本独自文化の「KAWAII」と相性がいいです。
寒色系の色は「冷たい」という感情を呼び起こします。
この効果を上手に取り入れたのが、お皿を寒色系にし料理を引き立たせる手法です。
寒色1色であれば、紺色や藍色のお皿がおすすめです。小鉢などは白ベースに寒色系のデザインが入ったものが扱いやすく日常には取り入れやすいです。
1.寒色系や黒・グレーのご飯は食欲が減退する傾向にある
2.暖色系のご飯であっても青みがかった蛍光灯の照明の元では食欲が減退する傾向にある
この2点を知っていると食べ過ぎ防止に活用できるので、頭の片隅に置いておくといいでしょう。
彩度と明度って一体なに?
色には覚えておくべき属性が3つあります。
色彩学では色をその3つの属性で理解しようとします。これを「色の三属性」と呼びます。
・色の三属性=色相・明度・彩度
色相とは、簡単に言うと色の区分です。
暖色系や寒色系の図にあったように色味のグループ分けです。
・有彩色=色相をもつ色
・無彩色=色相をもたない色(黒・グレー・白)
彩度と明度は簡単に言うと
・明度=色の明るさ
・彩度=色の鮮やかさ
明度と彩度が与えるご飯への主な影響は「印象」です。
例えば、「明度が高く、彩度が低いご飯」の場合はp(ペール)やltg(ライトグレイッシュ)に当てはまります。玄米の健康志向な和定食などこれに該当することが多いです。
優しい・あっさりした・ほっこり落ち着いたと言う印象になります。
また、明度と彩度が似ている色を集めてグループ化したものを「トーン」と呼びます。
先ほど登場したp(ペール)やltg(ライトグレイッシュ)は正確には、ペールトーンとライトグレイッシュトーンと呼びます。
このトーンを覚えておくと、ご飯に限らず、インテリアやファッションと日常に活用できます!ぜひそれぞれのトーンが持つ印象を覚えて、暮らしに取り入れてみてください。
【初心者さんにおすすめ】美味しくて簡単綺麗な「白・緑・赤の法則」と「+黄色/+茶色」の話
食べ合わせは別途考える必要がありますが、色のみで見ると簡単で美味しくみえる色合いは次の通りです。
足して「10」になるように考えることがポイント。
「白・緑・赤」のみで構成または「+黄色」か「+茶色」(※黄色茶色両方「+」も可)
一つの色でトーン(明度彩度)を変えたカラーリングで美味しくみせる方法もありますが、慣れないうちは失敗しやすいです。初心者さんは、まずはこの基本にそった色を覚えるのがおすすめです!
※上記は三色食品群の色分けとは異なります
三色食品群について詳しく知りたい方は、農林水産省「早分かり!食事バランスガイド」をご覧ください。
【実践】暮らしに簡単に取り入れられる美味しそうなご飯の作り方【カラーver.】
美味しそうなご飯の要素は主に「色・匂い・盛り付け・シズル感」の4つに分けられるよ。
今回は色(カラー)のみに焦点をあてた実践編。
ポイントがわかったところで、実際にご飯を作ってみよう!
法則全部入れの場合のお弁当はこんな感じ!
全部足して10と考えると「白4:緑2:赤2:黄1:茶1」。